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2025年10月17日
【レポート】プレスカンファレンス(パラアスリート)
今年で4回目を数える「東京レガシーハーフマラソン2025」の開催まで2日となった10月17日(金)、プレスカンファレンスが国立競技場で開催され、パラアスリートの招待選手7名が登壇しました。
車いすT53/T54の部男子招待選手は3名です。大会3連覇中の鈴木朋樹(トヨタ自動車)は「先週の日曜日もシカゴマラソンを走り、3位という結果でした。障がいのある子どもたちに勇気を与えられるように、しっかりと走り切り、大会新記録を出せたら」と意気込みました。昨年3位の吉田竜太(SUS)は、「僕もシカゴマラソンを走り(7位)、今大会の予行演習をしてきました。日曜日は鈴木選手にかぶせていけるようなレースをしたい」と見据えました。昨年は初出場で2位に入った岸澤宏樹(日立ソリューションズ)は、「先々週までインドの世界選手権に日本代表として出場し、トラック2種目走ってきました。昨年は鈴木選手に5㎞すぎまでしかついて行けなかったので、今年はもっと先まで競り合いたい」と力を込めました。
今大会を走る意味として、鈴木は、「少しでもメディアに取り上げていただき、全国にいる障がいのある子どもたちの目に留まり、陸上やパラスポーツに挑戦したいと思うきっかけづくりになれば」と話し、吉田は、「上り下りがあるタフなコースの大会でもあり、東京2020パラリンピック出場を目指していた自分にとって、そのレガシーとして始まったこの大会は重みのある大会」とうなずきました。岸澤は、「自分のような競技歴の浅い選手には場数をこなすことが必要。(10月は)トラックレースが少なくなる時期であり、マラソン本番に向けたテストレースとしても重要」と位置付けていました。
車いすT53/T54女子も3名を招待しました。大会連覇がかかる土田和歌子(ウィルレイズ)は、「走るエネルギーは変わらずある。レースは4月のロンドンマラソン以来となるし、新しいレーサー(競技用車いす)を入手したので、初心に戻ったような思い。チャレンジ精神を持って臨みたい」と力を込めました。昨年2位で2大会ぶりの優勝を狙う仲嶺翼(ミサトスイミングスクール)は、「コンディションとしては日によって波があるのが正直なところだが、全力で東京の街を駆け抜けたい」と笑顔を見せ、昨年3位の瀧村和美(日本オラクル)は、「トラックの大会が6月に終わり、暑い夏場は陸上競技場でトレーニングを続けてきた。その成果を今大会で発揮したい。目標タイムは昨年できなかった1時間をしっかり切りたい」と意気込みました。
今大会の意義について土田は、「10月は夏場の練習の成果を発揮することと、マラソンシーズンのはじめに自分の状態を知るチャンス」と話し、仲嶺も「時期がいい。毎年8月末から9月にレースがあり、そこで見えた課題を1カ月で修正した成果を確かめられる」と話し、瀧村は「東京の街を走る機会はないので、存分に楽しみたい」と付け加えました。
副島正純車いすレースディレクターは車いすレースの展望について、「男女とも、上って下る最初の5㎞が大きなポイント。後半の巻き返しは難しいコースなので、序盤でどれだけスピードを上げられるか、それぞれの力を発揮していただくと面白いレースが作れるのではないか」と、好レースを期待しました。
招待選手はもう1名、視覚障がいT11/T12男子の部で昨年、T12世界新記録で優勝した熊谷豊(三井ダイレクト損保)です。4大会連続出場で、3位、2位、1位と毎年順位を上げている熊谷。「今年も1位を目指しますし、自己新記録にも挑戦して、さらに上を目指したい」と力強く見据えました。今大会は、「障がい者が一般の方と一緒に走れる、勝負できる大会。私が頑張ることで他の障がいを持つ方々を勇気づけたり、一緒に走ってみたいという気持ちになってもらえたら、という思いも持って参加しています」と話しました。
パラアスリートの部については東京マラソン財団レースディレクター室の鈴木学がレース展望を話しました。「招待の熊谷選手には昨年につづく世界記録の更新を期待したい」と話したほか、若手の大石航翼選手や女子T11/T12で昨年2位の和木茉奈海選手や3位の西村千香選手にも期待を寄せました。また、今年は聴覚障がいT00男子に青山拓朗選手が、女子には安本真紀子選手がエントリーしており、「二人とも11月に東京で開催されるデフリンピックの日本代表選手です。このレースを弾みにしてほしい」とエールを送りました。
なお、車いすの部は10月19日(日)午前8時に、視覚障がい・聴覚障がいの部は一般ランナーと同時の8時5分にスタートします。招待選手以外にもさまざまな障がいのあるアスリートが多数エントリーしています。果敢なチャレンジに声援をお願いします。


