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元競泳日本代表 入江 陵介さん
ハーフマラソンへの挑戦
『ハーフなら、ギリいけるかも。』
フィニッシュラインの先に描く景色とは?

競泳・背泳ぎでオリンピックに4大会連続で出場し銀メダル2個、銅メダル1個を獲得した入江陵介さんが東京レガシーハーフマラソン2024のレガシーアンバサダーに就任。初めてのハーフマラソンで楽しみにしていること、新たに挑戦することへの価値、そして入江さんと同じく初めてハーフマラソンにチャレンジしようと思っている皆さんに向けてメッセージをいただきました!
実は最後のレース以来、一度も泳いでいないんです

4月に現役引退を発表した後は少しゆっくりと過ごす時間をいただきまして、ずっと家にいる日もありましたね。とにかく心と体を1回リセットすることを心掛けて過ごしていました。走るトレーニングの方はまだしていないのですが、引退会見のちょうど1カ月後くらいから週に2回ほどウェートトレーニングを始めるようになりました。ずっと運動していたので、やっぱり急に動かなくなると体質が変わったり、太ったりしてしまいます。ですから体形維持のためもあり、自分自身の中で運動することを手放さないようにと現在もトレーニングは続けています。
実はプールには最後のレース以来、1度も入っていないんですよ。泳いでいないです。特別な理由はないのですが、競技をずっと続けていた分、どうしてもプールに入ってしまうと良い時の感覚を知ってしまっているだけに「もっとこうだったのに……」というストレスを感じてしまうのかなと思って(笑)。でも今後、水泳教室などのイベントなどで泳がせていただく際には楽しく泳ぎたいなと思っています。
もしかしたら「ギリ、いけないかも。」?!

引退会見でもマラソンに挑戦してみたいと言ったのですが、水泳をやめた後でも自分自身で何か目標を持ちたいと思う気持ちが強かったんです。それによって、健康面に気を使うようになりますし、トレーニングをする機会を得ることにもなります。ですから今回、本当にありがたいタイミングで東京レガシーハーフマラソン2024のレガシーアンバサダーにお声がけいただけました。フルマラソンだとまだちょっと恐怖心があるので(笑)、今回のハーフマラソン挑戦が一つの達成感となって、次はフルマラソンにチャレンジしたいという気持ちが芽生える大会にしたいなと思います。
一方で僕は走ったことが全然ないので、立場としては今大会のメインビジュアルのコピーと同じ。もしかしたら僕は「ギリいけないかも。」しれません(笑)。それくらいハーフという距離は自分にとってはある意味、高い目標でもあります。それは今回一緒にエントリーされているランナーの皆さんにとっても同じかもしれません。でも、その高い壁や目標をクリアすることはすごく大切なことだと思いますので、僕も皆さんと一緒に、そして負けないように頑張って走りたいなと思っています。
目標の距離感としても手が届きやすい大会

東京レガシーハーフマラソンのことはもちろん以前から知っていました。競泳の萩野公介さんも出場していましたよね。東京2020大会が終わってからもう3年が経った今、やっぱりどこかその記憶が皆さんの中から薄れていっていると思うんです。東京2020大会のレガシーをつなぐ大会として、このレガシーハーフマラソンの存在はすごく意義があると感じていますし、コロナ禍で開催されたイレギュラーな大会ではありましたが、ハーフマラソンを通して東京2020大会を忘れないことはとても大切なことだと思っています。
また、東京レガシーハーフマラソンのコンセプトも素晴らしいですよね。フルマラソンだとちょっと構えてしまいますが、ハーフマラソンだとそれこそ年齢、性別に関わらず色々な方々がチャレンジしやすい、手が届きやすい大会だと思います。僕もその一人としてお声がけいただいた時には、メインビジュアルのコピーのように「いけないかも?」でも「ギリいけるかも?」と、目標が近くに感じられました。その目標との距離感というところでもすごく目指しやすいですよね。
沿道の声を聞いてみたい。ハイタッチしてもいいのかな(笑)

僕自身、アスリートとして応援の声はとても大きい力になると感じています。僕たちがやっていた屋内プールでの競技は景色がずっと変わらないんですね。一方、走っている中で景色が変わったり、応援してくれる人の声が聞こえたり、また顔を見ることができるというのはマラソンという競技の大きな魅力だと思います。自分自身、味わったことがない感覚だと思いますので、その点についても今は非常に楽しみにしています。ぜひ沿道の応援の声を直接聞いてみたいですね。応援してくれた人たちとハイタッチしちゃってもいいのかな(笑)。
また、今まで僕がやっていたのは区切られたレーンを一人で往復する競技でしたので、今回の東京レガシーハーフマラソンでは一般ランナーの皆さんと一緒に気持ちを押し上げながら楽しく走り切りたいですね。僕と同じように初めて参加されるランナーの皆さんとチャレンジを楽しみたいなと思っています。
コースに関しても国立競技場が発着というのは僕自身、すごくワクワクしています。僕は東京オリンピックの開閉会式に出られなくて、国立の地を踏んだことがないんですよ。だから、その部分でも感慨深い大会になるんだろうなぁと思っています。それから、マラソンには競泳にないコンテンツが色々とありますから、ボランティアさんと交流したり、給水所でかっこよく(笑)ドリンクを取ってみたり。それも楽しみのひとつです。
「次はフルマラソン」という気持ちが芽生えるフィニッシュができたら

フィニッシュラインの先にはどんな景色が見えてくるでしょうね。「次はもっと速く走りたい!」、「次はフルマラソンにチャレンジしたい」と思えるようなフィニッシュを切りたいですよね。やっぱり初めての挑戦ですから、いい思い出で走り切りたいなと思っていますし、また次につながるポジティブな感情が自分の中に芽生えたら嬉しいなと思っています。
新しいチャレンジ、ぜひ最初の一歩を踏み出して

今回、東京レガシーハーフマラソン2024のレガシーアンバサダーにお声がけいただいて一番嬉しかったことは、僕自身に目標ができたことです。今まで水泳に関する夢や目標を持っていたのですが、それが現役を引退したことでなくなってしまいました。やっぱり人は何か追いかけるものがないと、毎日が何の変化もない生活になってしまうと僕は思っているんです。その中で東京レガシーハーフマラソン挑戦のお話をいただき、目標ができたことでまた明るい気持ちで毎日を過ごすことができるのではないかなと思っています。
競泳の先輩の松田丈志さんは、トライアスロンに挑戦して、色々な大会に出ているんですよ。現役を引退した今でもこうして様々なスポーツに挑戦している姿はすごいなと思います。北島康介さんもゴルフを始めていたりとか、色々な先輩方が色々と違う競技に挑戦している姿を見て、自分も新しい世界にチャレンジしたいという思いを持っていました。
新しいチャレンジはもちろんドキドキがあったり、不安なことがあったり、色々な要素があると思います。その中で一番大事なことはやっぱり、最初の一歩を踏み出すこと。その意味で今回、僕も新しい一歩を踏み出す機会をいただきました。たとえ100%できなくてもまずは始めてみる、何か一歩を踏み出すことは大切なことだと思っていますので、皆さんにもぜひ、マラソンに限らず日常生活の中でも何か新しいチャレンジへの一歩を踏み出してみてほしいなと思います。
