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SPECIAL INTERVIEW

スペシャルインタビュー

TOKYO LEGACY HALF 2025

最高齢チャリティランナー・小松原 信一郎さん
『80歳でフルマラソン4時間30分を切ることが目標』。
次の目標と日々の刺激が元気の秘訣!

東京レガシーハーフマラソン2025にチャリティランナーとして出走する小松原信一郎さん。1946年1月生まれの現在79歳です。東京レガシーハーフ2025の最高齢チャリティランナーの小松原さんが思うチャリティランの楽しさや意義、⾛ることを通じて得た変化や⼤会への挑戦がどのように⽣きがいに繋がったのか、そしていつまでも元気な秘訣と同世代に向けたメッセージをいただきました!

62歳の時に大病、それを契機にランニングを再開

もともと私は高校では陸上部で、また登山が好きだったものですから当時から足は速い方でした。ですが、社会人になった後は仕事が忙しくて太ってしまい、62歳で退任した後にステージ3の大腸がんになってしまいました。2009年に手術をして、すごくつらい経験だったのですが、それを契機にして自分の好きだった登山、ランニングをまた始めるようになったんです。

すると、練習していくうちにタイムが伸びていくじゃないですか。それでハマってしまって、色々な大会に出たり、周りの友人、知り合いにランニングを勧めていると、2017年に知人から「ドナルド・マクドナルド・ハウス支援のチャリティランイベントに出場してみませんか?」とお誘いをいただいたんですね。それがきっかけになって、6~7人のチーム2組で出場したら、それはもう楽しかった。そこから私のチャリティランが始まりました。

レガハで川内優輝選手とすれ違い、うるっと感動した

その後すぐに「そうだ、マラソンも走ってみよう!」と思い、初めてのフルマラソンが2018年12月の湘南国際マラソン。4時間25分で完走することができました。その4カ月後に東京マラソン2019をチャリティランナーとして初めて走りまして、それも4時間25分台での完走でした。2023年にもチャリティランナーとして東京マラソンを走って77歳で4時間55分台だったのですが、35kmのエイドステーションにいた知人からは「遅い!」と(苦笑)。

東京レガシーハーフマラソンも2回走っています。覚えているのは雨が降った東京レガシーハーフマラソン2023。下っていくコースの途中で、向こうから同日開催のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)でトップを走っていた川内優輝選手とすれ違ったんです。あれがすごく感動的でしたね。実は以前、春日部で行われたマラソン大会のゲストランナーとして来ていた川内選手にお会いしてボストンマラソンの優勝メダルを見せてもらったことがあったんです。彼は春日部東高校の出身で公務員時代にも春日部で仕事をしていた時期があり、私も以前は春日部に職場がありました。そういうつながりもあったので、雨の中で苦しそうにトップを走っている川内選手とすれ違ったときには、うるっと来ましたねぇ。

チャリティランで感じる一体感と清々しさ

チャリティランが契機になり、ドナルド・マクドナルド・ハウスを訪問したりして、病気の子どもたちの事を自然に考えるようになりました。そうすると「みんな1人じゃないぞ!」という一体感を感じるようになり、同じ思いを持っている人と連帯感が生まれて来たと思います。

チャリティランナーとして大会に出場しても一体感を感じますね。沿道の皆さんが手を振ってくれたり、同じTシャツのチャリティランナーを見かけますと、僕は声をかけるんです。「今日の調子はどうですか?」と。チャリティランのありがたみはそうした一体感があって、爽やか感があること。これはもともと私の両親がチャリティ活動のようなことをやっていたので私にもそうした下地があったのですが、チャリティをすると気持ちがいいですよね。1日が爽やかになり、清々しい気持ちで夜のお酒を飲むことができます(笑)。

目標は来年80歳でフルマラソン4時間30分を切ること

チャリティランを通した人と人とのつながりも感じます。基本的にチャレンジしないと前には進まないじゃないですか。一緒に走る人はだいたい私よりも年齢が若いので、私にとってちょっとハードルが高いことを言ってくるんですね。そうすると、「よし、じゃあ俺もやってみよう!」と思うようになる。ですから、一つの目標、それも少し高い目標に向かってちょっとずつ挑戦するようになっていきましたね。

私はいつも、毎年更新されている「全日本マラソンランキング」という冊子を持ち歩いているのですが、このランキングの中に、86歳の国内最速4時間7分04秒(☆長野マラソン)小口親司(おぐち・ちかし)さん(長野・岡谷)と言う方がいらっしゃいますが、その方の『目指すは世界一!夢を追いかけている今が青春』と熱く語る言葉に打たれました。さらに96歳の奥山新太郎(おくやま・しんたろう)さん(神奈川)という方が8時間37分26秒(☆板橋シテイマラソン)で完走しています。これがすごく励みになるんですよね。だから来年、私は80歳になるので、4時間半で走りたいと思っているんです。そうすると80歳男性のランキングで5位くらいになるので頑張らないと(笑)。そして、その先は小口親司さんを目指して走り続けたいと思っています。

毎日の励み、楽しみ、刺激が『活力』になっている

62歳からランニングを始めるなど新たな挑戦を通して得られたものは、目標を少しずつ高く持つようになったこと。そして、それによって1日が爽やかになりましたね。ルーズな1日を送ることがなくなりました。朝起きてからスクワットをして、最初は50回だったのですが、「今日は大谷翔平君が頑張っているから、俺ももうちょっと頑張ろう」とやっていくうちに回数がどんどん増えていくんです。今はだいたい1日200回ですね。

普段からそんなことをやっていると、体形もスリムになって、おしゃれにも気を遣うようになりました。それってとても大事なことだと思うんですよね。そうした毎日の励み、楽しみがプラスアルファの色々な形で出てくるようになり、『活力』になっています。

また、マラソンを走っている著名人には石原良純さん、山中伸弥さん、村上春樹さんなどがいらっしゃいますが、彼らが私と同じ年齢になった時にどちらのタイムが速いか。負けたくないなと思っているんです。こうしてライバルをいっぱい想定していると刺激になりますし、仲間と一緒に走っている時も、相手の方が少しペースが速くても慰めてくれない。「小松原さん、ちょっと遅いね」って(笑)。でも、これが刺激になるんですよね。

ランニングを始めたからこそ、挑戦していく中でこうした良い刺激を周りからたくさんもらっています。

こんな素敵な経験ができる大会は他にない

これからランニングに挑戦しようと思っている皆さんに向けては、最初の目標をフルマラソンにおいてもいいと思いますが、その一歩として東京レガシーハーフマラソンなどのハーフの大会を選んではどうでしょうか。同時に周りの友人、仲間たちを誘って、一緒に出てみるのもいいと思います。

特に東京レガシーハーフマラソンの良いところは往路が下りなんですよ。帰りは上りになってしまいますが、でも国立競技場から日本橋を回って帰ってくる。これは東京のメイン道路じゃないですか。そこを走れるなんて、こんな素敵な経験ができる大会は他にないと思いますよ。

次の挑戦や目標がなかったら、生きがいもない

「#レガハが私を変えたこと」は、やっぱり挑戦ですね。いくつになっても挑戦するのはいいこと。次の挑戦や目標がなかったら、やっぱり生きがいもないですよね。

東京レガシーハーフマラソンを走ることによって、その次のステップである東京マラソンに出場する意欲が増しました。そうした新しいものへの気づきを得られたのが東京レガシーハーフマラソン。また、東京マラソンへの入り口としても素晴らしい大会だと思っていて、次のフルマラソンへのステップになります。

今年の東京レガシーハーフマラソンもドナルド・マクドナルド・ハウスのチャリティランナーとして走ります。今からとても楽しみですね。

元気に生きる秘訣は色々な人との交流、そしておしゃれ

毎日はつらつと元気に、爽快に生きるのが一番。そのためにも家でジッとせず、外に出るようにしています。私は色々な方たちと付き合いがあるのですが、やっぱりちょっとおしゃれをして会いに行きたいんですよね。また、年を取ると、どうしても病気や年金の話になってしまうのですが、私たちの仲間同士ではそういう話をしない。それはタブーにしています(笑)。

ですから、日々元気に生きるためには色々な人たちとの交流、そしておしゃれが大事ですね。人と会って、色々な話をするとやっぱり活気が出てくる。それが一番だと思いますね。活力のある80歳を迎えたいなと思います。