東京レガシーハーフマラソンの思い出は「楽しい」ばかり

子どもたちにマラソンの楽しさをお伝えする、東京マラソン財団のスポーツレガシー事業に参加させていただくご縁をいただいて、昨年の東京レガシーハーフマラソンに出場しました。本当に、走るということから離れていたので、久しぶりに走ることにチャレンジするきっかけとなりました。
現役引退後はゲストランナーなどで大会に呼ばれることはありましたが、自分がしっかりとハーフを走り切るというのは本当にもう記憶にないくらい。陸上界から離れていた時期もありましたし、自分が走ることはもうないと思っていたんです(笑)。それが東京レガシーハーフマラソンを走ってみると、もう「楽しい」ばかりでしたね。現役の時は苦しかった記憶しかなかったのですが(笑)、違う視点でマラソンをエンジョイする、こういう走る楽しさがあるんだということを体感できたのはすごく良い経験でした。走ることを再開するきっかけをいただきました。
「また走りたい」って、初めて思った大会

東京レガシーハーフマラソンの魅力はやっぱりコースですね。道路の真ん中から見る東京の街って、景色が全く違うんですよね。歩道から見る景色と、道路のど真ん中から見る景色が全く違うワクワク感。走った人にしか体験できない気がします。
また、フルマラソンじゃないところがいい! ハーフだと、きつくなってもゴールが近いじゃないですか。ハーフマラソンという距離感、なおかつ東京マラソンにも近い感動を得られるというのは本当にいい大会だなと感じました。「また走りたい」って、初めて思ったんです(笑)。
東京レガシーハーフマラソンに臨むにあたって、周囲の誰かを巻き込んで一緒に練習したり、それによって新たなコミュニティや会話が生まれるという変化もありました。
もう二度とフルは走らないと思っていたのに…

自分の目標もだんだんと変わっていきましたね。東京レガシーハーフマラソンの後に東京マラソンのチャレンジもありました。もう二度とフルは走らないと思っていたのに(笑)。残念ながらケガをしてしまったので十分なフルマラソンのチャレンジにはならなかったのですが、そこに向かう気持ちのチェンジというものは東京レガシーハーフマラソンが絶対に大きなきっかけになりました。
フルマラソンにチャレンジしようと、そもそも思った時点が大きな変化です。そんなことは微塵も思っていなかったのに、マラソンがグッと近くなりましたし、そこにチャレンジしていく方たちとの距離感、会話も本当に自分の今とリンクするようになりました。
東京レガシーハーフマラソンを走り終えた後が、特に変化が強くなった気がしますね。走る前は完走できるかなという不安もあったのですが、フィニッシュした後は「来年はもっとこういうふうに走りたいな」みたいな、違う目標が勝手に出てきましたから。
東京レガシーハーフマラソンではまた、事前にコース上の清掃活動を街の方たちといっしょにさせていただいたのも非常にいい経験でした。しかも、そこで知り合った方と大会本番に最後の最後で会うことができたんです。国立競技場に入る手前で似ている人がいるなと思って追いかけて、追い越しざまに見てみたらやっぱりその人で、一緒にフィニッシュしました。そんなことあるんだと思いましたし、あれだけたくさんのランナーがいる中で偶然出会うなんて、すごいですよね! 今でもその人とは交流させていただいています。
そういう出会いや、何かを一緒に共有すること、また大会以外のイベントに関わることで、もっと大会が身近になるのだなと思いました。
私の生活スタイルにはなかったパターンが増えている
心と体の両方でランニングと健康をリンクさせたいと気づかせてもらったのが東京レガシーハーフマラソン。走る体力だけでなく、そこに気持ちの充実やエンジョイが入る形にしたいと強く思っていて、今年もそのような感じで積み上げていきたいですね。朝に歩いたり、走ったりしながら体を動かす気持ち良さみたいなものを感じています。
実は私、朝が超苦手でして(苦笑)、仕事じゃないのに早起きして外に出ることは今までは考えられなかった。それが今は朝起きて、とにかく歩く、走るように変わってきましたからね。ただ、毎日は難しいので行けるときに行って、仲間が誘ってくれた日は夜9時くらいからお話しながら走ったりとかもしています。
そう思うと、ちょっと私の生活スタイルにはなかったパターンが増えていますね。これまで走ることに関わることはすべてお仕事だったのですが、単純に仕事とは全く関係なくウェアを着替えて走りに行くというのは本当に私の中では画期的ですよ(笑)
それはやっぱり、まず東京レガシーハーフマラソンがあり、その先に東京マラソンにチャレンジするという目標があるからこそ、そこに向けて準備したいという思いもあります。だから昨年走ったことが本当に楽しかったんでしょうね。
レガハは新たに走り出すきっかけを私にくれた
東京レガシーハーフマラソンは新たに走り出すきっかけをくれました。また走ろうという気持ちにさせてくれたのが「#レガハが私を変えたこと」だなと思います。
今までは「絶対に走らない」とほぼ決めていた状態だったのに、これをきっかけに走ろうと決めたこともそうですし、走った後も本当に楽しいという今までに感じたことがない気持ちにもなりました。この楽しさを多くの人たちに伝えたいと思いますね。「チャレンジしていくと違う世界、違う見方が待っているよ」と。まさに私自身がそうでしたので。
そして、走った後に「やっぱり走るのはもういいか」と思わなかったのは、それが東京レガシーハーフマラソンのコースの魅力であり、大会の雰囲気だと思います。この大会を最初のチャレンジにすると、ハーフマラソンやその先のマラソンが楽しいものとして感じられる気がします。
ハーフマラソンはエンジョイできて最後まで頑張り切れるし、周りを楽しむ余裕もありながら達成感もある。と言って、5kmや10kmとは違って、何も準備せずに走れるような簡単な距離でもありません。そういった意味では自分への初めての挑戦としては全てにおいて最高だと思いますね。
新しいことに挑戦すると決めたら、必ず人生の幅が広がる

挑戦するにあたっては、まずは決めること。これが大事だと思います。東京レガシーハーフマラソンでしたら、エントリーすることを決める。何かを決めたら必ず不安が出てくるのですが、でも、決めた時点でもうほぼ成功していると私の中では思っているので、まずは何かをやることを決める。そして、決定してしまったら80、90%は達成したという前提で皆さんには色んなことに一歩踏み出してもらえればなと思っています。不安はあるかもしれないですが、必ず学びと達成感と充実が待っているので、何かに挑戦すると決めて進んでほしいですね。
もし決めなかったら、その体験もできないじゃないですか。何かに挑戦すると決めて、なんとかそこまで過ごして当日を迎えてしまえば、良かったことも悪かったことも全てのことが自分の体験として色んな人に語れるという財産ができます。そうすると、大げさに言えば自分の人生の幅が広がると思っています。
私も新しいことに無謀にもチャレンジするタイプで、陸上の現役を終えた後にプロゴルファーを目指すことにチャレンジしました。結局、それがモノになったわけじゃないですが、挑戦した10年は自分の中で大きな財産になったんです。陸上だけをやっていた時は誰よりも速く前だけを見て走っていたのが、ゴルフをやると360度見なきゃいけなくなる。そういう意味では、新しいチャレンジをすると今までと違う世界と視野になりますよね。
新しいことに挑戦すると決めたら、必ず人生の幅が広がる。私もそうでしたから、なんでも無謀にチャレンジした方が絶対にいいですよ(笑)。